★ 会長の柔道のきっかけ
私が中学でも柔道を経験していたことはすでに述べたが、だからと言って高校でもそのまま柔道を続けようなどとは入学当初は考えてもいなかった。 中学では同級生に誘われるままに入部したが高校では実は野球部に入部したかったのだ。 その理由はあまり大きな声では言えないが・・・
「広島カープファン」だからだ!(意味不明)
それ以上の説明は要るまい。
さっそく高校入学と同時に体験入部をした。 しかし、学校の定める体験入部日以前にすでに中学野球経験者は、春休みのうちから練習に参加していたので私は早くも途中入部のような形になっていた。 私はこの日に備えて春休みには一人で家の前で連日100球の投げ込みをしていた。 そう、私の希望ポジションは4番ピッチャーだ!
自主トレは完璧だった。 野球は全くの未経験だったが、不安はなかった。
やればできる・・・この鉄人衣笠の言葉を信じ、私は堂々と体験入部を申し出た。
中学柔道ではやはりサボり病から部活動を完全燃焼できなかったため、この野球にかける意気込みは並ではなかった。 かっこよく言えば「不退転」というところか。 そのように鼻息だけは荒かったが、ユニフォームを持ってなかったので先輩に借りることにした。 そのとき先輩が私にユニフォームを手渡しながらこう言った。 「希望のポジションは?」 待ったましたとばかりに私は堂々と希望を告げた。 しかし、先輩の口から意外な返事が返ってきた。 「ええ体しとるな〜、お前はキャッチャーやな」 「・・・」 私は言葉を失った。 まるで地獄の三丁目まで叩き落とされたようなショックをうけた。 私にとって一番抱かれたくない男・・・もとい一番なりたくないポジションがキャッチャーなのだ。 なぜかって? キャッチャー=ドカベンだからだ!(さらに意味不明) あの自主トレの毎日は何だったのだ。 それも安易に体型で決めるとは・・・。 その日の練習の内容は覚えていない。 そして夢の野球部入部も体験だけで終わってしまった。
数日後、私は使い慣れた柔道着を持って道場の入り口をまたいだ。 そこには「経験者」と聞いただけで抱きかかえんくらい歓迎してくれた先輩たちと、途中入部であろうとすぐに旧知の仲のように話し掛けてくる同級の一年生たちがいた。 おそらくこの部は弱いのであろう事はすぐに経験で分かった。 しかしそんなことは枝葉であった。 とにかく私は迎え入れられようとしている。 私が改めて柔道をやる理由としてそれで十分だった。
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