★ 柔道部の伝統
姫路南高校の主将は伝統として顧問と前主将の推薦により決定する。 一応、基準としてはリーダーシップのある無しも加味されるが、一番強い者がなるのが習わしだった。 自慢じゃないが私は中学からの経験もあり、一年生時において先輩を含めた部員の中で最強だったので、伝統によって先輩がいるにもかかわらず主将になるべく条件を満たしていた。(自慢) 場合によっては異例の一年生主将も誕生していた可能性もあったと、顧問のG田氏に後で聞かされた。 (G田氏の推薦だったらしい)
顧問の推薦はあったが、やはり体育会系で年功序列は無視はできない。 縦社会を崩すわけにはいかない。 結局、最学年引退後の次期主将には37期生から選ばれた。 一年後、我々が最学年となる主将選びはあっさり私に決まった。
私は中学柔道経験があると言っても、中学では平凡な選手で実力も真中だった。 先輩には他校の同級生から「さん」づけされるほど恐ろしく強い人がいて(後に名門市川高校にスポーツ推薦入学し、エースで活躍)、よく私をプロレス技でかわいがってくれたが、(かわいがるは相撲と同じ意味)私は自分にリーダーシップがあるかどうか分からなかったので主将になる自信はなかった。
そんな男が南高の中では最強なのだ。(みんな高校から柔道を始めたため) これは私がみんなを引っ張らねば、と二つ返事で引き受けた。 しかし、主将の資格以前に私には主将となるには致命的な欠点があった。 それは「さぼり魔」だったことだ。
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