★ 会長:大学部活編 第四話
年一回の繁忙期を除きほとんど出席しなくてもよく、学内での地位が高く、テスト対策も講じてくれる。 しかも欠点を取りそうな単位は特別待遇で黙って及第点となる。 そんなオイシイ部活の名は“大学祭実行委員会”。 なるほど、トーナメント表のような部活組織図では、他の文系クラブを総括するように上位に記されている。 (N氏所持大学資料より) “〜部”ではなく、“〜会”って所にすでに格の違いを感じるな〜。 そしてこの大学の文化祭は十一月と聞いているから、少なくとも前期は丸々休みやないの。 高校時代のあの厳しい柔道部の練習に比べればたかが文科系クラブ、 先輩も軟派な人が多いに違いないから、後期もお茶を濁す程度に出席していればよいわ、は〜っはっは〜!
―― ワシは“大学祭実行委員会”の作業場(部室横のプレハブ)で文化祭用の看板に黙々とペンキを塗っている。 もちろんここにワシがいるということは柔道部の勧誘はN氏の作戦通り軽く一蹴することができたのだが・・・。 (しかし文化祭は十一月やのに準備が早すぎるんやないか。それだけ気合が入ってるということか、見直したで文科系クラブ!) すっかり夢のグータラ大学生活の目標を忘れていたワシは、今日が新入生歓迎会だということも忘れていた。
その日の作業を終え、部室に戻ると見知らぬオッサン達が二十名ほど集まっていた。 その時他の同級に聞いて分かったことだが、彼らが普段はめったに顔を出さない鬼の三号、閻魔の四号と言われる三、四回生である。 文科系クラブは少人数という先入観であったため、普段一、二回生だけの小活動を当たり前と受け取り、 それがための早い時期からの文化祭の準備だと勝手な解釈をしていた。
さっそく二回生が一人ずつ三、四回生を紹介し始めた。 (めったに出て来ないなら、今日は話しかけられんように隅でチビチビ飲んどこ) しかし、新入生歓迎会で新入生が、最後まで目立たぬように過ごすことが出来るだろうか? 否!どんな楽観主義者もこの場の危機を感じるはずだ。 だがワシは部屋の隅で、配られた酒に舌鼓を打ちながら隣の同級と楽しそうに雑談していた。 果たして一通り酒が廻った時、二回生の掛け声で恐怖の儀式が始まった。
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